ともに生きる
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◆ 地雷探知犬 その(1)ボスニア編
子どもたちが安心して歩ける大地を取り戻すために◆

生まれて間もない子犬


パピートレーナーに爪切りをしてもらう

布をくわえて引っ張る遊びは狩猟本能を鍛える

いっぱいの愛情を受けて育つ子犬は、
人への信頼を育む


ぐらつくシーソーの上を歩いて、度胸をつける


レンガのなかに隠したコンを探す訓練


まっすぐ直線を歩く訓練

赤いゴムのおもちゃ「コン」は何よりのごほうびだ

 盲導犬、介助犬、災害救助犬、麻薬探知犬など、私たちの社会には、人間のために働いてくれる犬がたくさん活躍している。そのなかでも、とくに大変な仕事をしてくれるのが「地雷探知犬」だ。地下に埋められ、人間の目ではなかなか見つけることのできない地雷を鋭い嗅覚で探し出してくれる犬たち。彼らが懸命に働く姿を見ていると、地雷を埋めるという人間の行為の愚かさが、ひしひしと胸に迫ってくる。
  私が初めて実際に地雷探知犬が働くところを見たのは、2005年。ボスニア・へルツェゴビナの平和構築を取材していたときのことだ。90年代に大きな戦争があったボスニアでは、地雷は戦後復興の大きな妨げとなっている。いまも国中で地雷除去作業がおこなわれているが、その現場のあちこちで地雷探知犬が活躍していたのだった。
  ボスニアには、ノルウェーの国際援助団体ノーウェジアン・ピープルズ・エイドが運営する地雷探知犬の訓練センターがある。そこで生まれ育った犬たちは、訓練を終えると、カンボジアの他に、エチオピア、コンゴ、ヨルダンなど、地雷の被害に苦しんでいる国に送られ、地雷探知犬として働く。
  地雷探知犬となるのは、どんな犬たちだろうか。中心になっているのは、マリノア(ベルジアン・シェパード)といって、日本でもおなじみのジャーマン・シェパードよりひとまわり小さく、毛も短い種類の犬たちだ。訓練センターでは、地雷探知犬の両親から生まれた子犬、つまり地雷探知犬としての素質を持った子犬たちを繁殖し、幼いころからていねいに育てる。
  子犬たちは、パピートレーナーたちからたくさんの愛情を受け、人との絆を育んでいく。また、タオルを噛んで引っぱったり、振りまわすなど、もともと持っている狩猟本能を刺激するための遊びをとおして、獲物の匂いを嗅いで追う、という狩猟行動を強化していく。
  地雷探知犬になるのは、何よりも、その仕事が好きで、それに向いている犬でなければならない。匂いを嗅いでものを探すのが得意なマリノアのような犬にとって、地雷探知は楽しいゲームのようなもの。でも、ペットとして家で寛ぐのが好きなチワワのような犬にとっては、苦痛でしかないだろう。仕事を選ぶ際に適性が大事なのは、犬も人間も同じなのだ。
 犬によっても違うが、訓練センターで過ごすのはだいたい1年半ぐらい。そのあとは実際に地雷探知犬として働く国に移動し、2ヶ月ほど仕上げの訓練を受けた後、地雷原に出ていくことになる。
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